(1999年3月現在、 大型バイクの場合)
 練馬自動車検査登録事務所
 住所 〒179-0081 東京都練馬区北町2丁目8番6号
 代表電話番号 03-3931-1178
 予約電話番号(自動応答)03-3931-2200

   時間   受付:8:45〜11:45,13:00〜15:45
                  検査:9:00〜12:00,13:00〜16:00

   場所         R254(川越街道)沿い、池袋から川越方面に向かって右側。
      ツーリングマップル関東版44ページ4Fと4Gのちょうど境目ぐらい。

   費用     自賠責保険 ¥22,900
      自動車重量税  ¥5,000
      検査手数料   ¥1,400
      用紙代(一部)    ¥30
       合計        ¥29,330

   車検場に持って行くもの

      愛車
      印鑑
      車検費用
      自動車検査証
      軽自動車税納税証明書 (市役所で発行してもらえる)
      点検整備記録簿 (練馬では、後点検の場合は不要であった)
      自賠責保険(共済)証明書( 次回の車検日まで有効なもの)

 車検当日に入手、用意できるもの(検査場近くの代書屋で購入)

      自動車重量税納付書・印紙
      継続検査申請書
      自動車検査票・手数料納付書・印紙

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体験記

1.準備(バイク)

 まずは自分のバイクを紹介。SUZUKI GSX-R 1100 ('91)で吸排気系はノーマル。
前ブレーキホースをステンメッシュに変えてる。購入時に付いてた車検対応の証
明書を一応持っていくことにした。あとGSX-R MLにヘッドライトの光量不足で再
検査になった話が流れていたので、高効率バルブに交換(60/55W→120/110W相当)
した。ま、ホントはちょっと雰囲気を変えてみたかっただけ。でも違いが全然分
からない。千円ケチらず青白いのにすりゃよかった。

 車検月も間近に迫った某日、走行中にウインカーが点きっぱなしになったが、
ウインカーリレー交換で済んだ。部品の在庫があって良かった(ちなみに車検満
了日の前一ヶ月間に受ければ、有効期間は満了日から二年間になる)。リレー交
換のついでにカウルもはずしてみた。少々オイルがにじんでいるが、ボルトの増
し締め後そのまま一、二週間走ってみて滲んでこなかったのでまいいやとカウル
を再装着した。しかしその後、一走りしたらカウル止めのボルトを一つ落として
しまっていた。いかにも素人くさいオチなので車検時につっこまれそうで恐い。
万一のとき用に、適当なねじを職場で拾い車検場に持っていく。

 法律でバイクは6ヶ月点検と12ヶ月点検が義務づけられてる。新車に付いてる
メンテナンスノートで12ヶ月点検の内容を見せてもらった。特にエンジンの中ま
で開けてみるようなものではなくて、一度教われば誰でも自分で確認可能な項目
である。改めてしたことは、車用のジャッキを買ってチェーンの清掃/給油をし
たぐらい。後はパッドの引きずりやサスのオイル漏れの有無をいつもよりしつこ
く確認して洗車。点検整備記録簿は練馬は不要(後述)なので用意せず。

2.準備(書類)

 仕事中に他人のWebページ巡りをして情報収集する。納税証明なるものが必要
らしいが、税金など払った覚えはない。無い場合は市町村区の役所で発行しても
らえるそうなので、仕事を抜け出しチャリで和光市役所に行った。“車検用に納
税証明欲しいけど、俺は払ってますか?”と聞いたところ、払っていた。証明書
は無料で少々感動。

 '96年に車両法が改正されて、定期点検は車検の後でも良くなった。つまりあ
らかじめ定期点検をしなくても車検が受けられるが、通した後に定期点検するこ
とが義務だ。これを“後点検”といい、この場合練馬では車検時に点検整備記録
簿を提出する必要はない。このことは車検場に書いてあった。しかし車検場によっ
ては過去に行った記録簿の提出が必要かも知れないので、確認した方がよい。記
録簿はバイク屋の他、車検場でも販売しているそうである。

 最後は自賠責である。my GSX-Rは前オーナーの車検付き中古バイクだったが、
任意保険と同じ会社に変更した。必要なのは今回車検後の二年間をカバーする分
で二万二千九百円。これ限度額の割には高くない?無事故でも値段変わらないし。

3.予約

 書類もそろったので、電話で自動応答の指示に従い予約する。3/9に電話した
が、翌3/10から3/16までが予約可能だった。予約の変更や取り消しも同じ電話番
号で可能。冷やかしも出来るので混み具合を確認してみるのもいいかも。翌週の
月曜日(3/15 )の午前中を予約した。予約時に四輪か二輪かって事は聞かれな
い。

4.本番

 天気予報は雨だったが、出かけるときは曇り。けど雲行きは怪しい。晴れたら
そのままツーリングのつもりでいたが残念。和光市から池袋方面に走る。さすが
平日の朝、川越街道の交通量は多い。自衛隊の大きな駐屯地が右手に広がり、そ
の正門向かいが車検場で、“練馬車検場前”と看板の掛かった信号がある。門を
入ってすぐ左手の建物(A棟)脇にバイクを止めた。周囲は怪しげなオヤジ共が
右往左往している。A棟に入ると“ユーザー車検”と札の下がった窓口があり、
そこで手順を聞ける。それによると、

・代書屋で申請書等の用紙を購入
・B棟二階で重量税と手数料の印紙を購入し用紙に貼付
・A棟五番窓口で用紙に必要事項を記入し、車検ラインの指定を受ける

という順番である。代書屋は門を出てすぐ右手にある。二部買うといい、という
小技を聞き及んでいたので従う。代書も頼めるが千五百円だか三千円だかかかる
そうだ。そんなもん頼む必要全然ない。次に印紙を購入すべく車検場に戻る。構
内は小学校の校庭ぐらい広いが、AからEまで五つある建物は川越街道沿いに固まっ
ている。B棟の二階で印紙を買う。用紙にまずナンバーや原動機の型式を記入し
て、車検証とチェックされる。ここで書き間違えて二部目が役に立った。印紙を
買ったらその場で貼付てA棟に戻り、さっきの窓口の前で用紙の残りに記入をす
る。鉛筆で書く項目とボールペンで書く項目が一枚の用紙に混在してるが、丁寧
な記入例が張ってあるので初めてでもまごつく事はなかろう。オヤジがうようよ
してる中で書類を出した。ラインを指定され、書類を返されて建物を出た。雨は
まだ降ってない。

 A棟からラインまでは中途半端に距離があり、乗車して向かう。検査用紙には
“折り曲げるな”と書いてあり気を使う。野島さんがバインダーあると便利と書
いてたのはこのことなのね。確かに書類の束を持ってうろうろする事になるから
便利だと思う。あとA棟から見えるのはラインの出口である。逆行しかけた。ラ
インは町工場ぐらいの大きさで、4番ラインというのがバイクのラインで、入口
の地面にでかく“バイク”と書いてある。車は列が出来てたがバイクは閑散とし
ていた。俺の前はRZV500という珍しい奴だった。近寄ってきた係官に書類を渡す。
前の人がブレーキ検査してる間に外観検査を受けた。ウインカーとヘッドライト、
ブレーキランプを付けた。ホーンも鳴らしたか。あと30秒ぐらい廻りをちゃちゃっ
と見て、ハンドルこじってチェーンの張りを見てここはおしまい。おいおおい、
それしかしないのけ?車体番号は?エンジンオイルは?ブレーキのパッドは?12ヶ
月点検の確認するんじゃないの?これなら非JMCAだろうがファンネルだろうが全
然大丈夫っぽい。だってエンジンまだかけてない。

 次はブレーキの効きの検査だ。スピードメーター検査はない。前後ともやるの
は同じで、床のローラー上にバイクを進めてまたがり、エンジンをかける。ロー
ラーが沈んで回り始める。ブレーキかけろの電光掲示板が出たらかけ、OKが出た
ら止める。ローラーがせり上がってきておしまい。バイクが揺れたりする事はな
くて、両足つま先が軽くつくくらいでも大丈夫。

 最後が光軸の検査。上向き(ハイビーム)にしてバイクにまたがる。“車体は
真っ直ぐ立ててね”と注意された。まずはアイドリング状態で検査。二灯式のバ
イクは備え付けの眼帯で覆って片目ずつ検査される。2mぐらい先を検査機がうぃ〜
んと動いてく。しばらくして検査官が浮かない顔で出てきて、“もうちょっと回
転あげてみて”と言った。ありゃりゃ。4000回転/分ぐらいに上げて再度検査。
今度は大丈夫らしくもう片目も同様に検査。眼帯を外され、先行って待っててと
言われた。書類を返され、さっきのA棟の窓口に行けと言われる。結局ブレーキ
ホースだのカウルのボルトだのは最後までチェックされなかった。

 オヤジをかき分けて窓口(A棟5番)に書類を提出し、隣の窓口でシールをもらっ
た。このシール役のねえちゃんが森尾由美似でなかなかかわいかった。愛想はな
い。ちょうど小雨がぱらついてきた中を帰った。

5.バイクのユーザー車検は難しいか?

 検査そのものは全然たいしたこと無いです。

 俺は別に整備の知識が豊富なわけでもなく、初めて400ccのバイクを買ったと
きは当然のように車検はバイク屋にやってもらうつもりでいました。後で雑誌や
他人の話でユーザー車検の事を聞き、やってみようかな〜という気になりました
が、素人の俺が手続き上車検を通したとしてもその後大丈夫か?という心配が、
いざ車検を済ますまで残っていました。しかしそう思う人こそ一度はユーザー車
検を経験した方がいいというのが、車検を済ましてみての感想です。

 自分の受けた実際の車検は、てんでいい加減でした。昔はいざ知らず、現行の
車検は自車の安全性の確認には全っ然役に立ちません。目一杯好意的な表現をし
たとしても、せいぜい“族”を排除する制度の名残に過ぎません。車検に通って
いればまぁ安全だろう、という思いこみが車検前の俺には多々ありましたが完璧
に粉砕されました。

 車検の係官は、ユーザー車検に来る人は皆12ヶ月点検と同等レベルの整備を済
ませてきたと思ってるのでしょうが、だとしたらそれをチェックするのが係官の
仕事の筈です。でも彼ら係官はそんなことは何もやりませんでした。仕事休んで
出かけてって受けたアレは一体何だったのでしょう?分かったことは、車検に通っ
てることと自分のバイクの安全性の確認はまるで別物で、自賠責だけで公道に出
るのと任意保険を付けて走ること以上に違う、ということです。

 じゃプロにきちんと車検前の点検をやって貰えば、というのは至極当然です。
なんで逆説的にユーザー車検を勧めるかというと、 一つには日常の整備の重要
さが分かるいい機会だからです。バイクに乗り始めたばかりで自分ではどこをど
う見ればいいか全然分からないという人は、バイク屋で教わるなり人に聞いてみ
て下さい。別に難しい事じゃないです。例えば、

・ブレーキの減り具合を確認できる。
・エンジンオイルの量を確認できる。
・タイヤの空気圧を確認できる。

これらは教習所で教わるような基本だし、12ヶ月点検の項目です。これぐらい出
来ない人には公道走って欲しくないです。でも俺の車検の時はこの3点はどれも
チェックされませんでした。だから、上の三つは安全性の確認としては車検より
高度な内容だということです。 

 ユーザー車検を勧めるもう一つの訳は、車検制度で甘い汁を吸ってる奴らに腹
立てたからです。日々の整備はまあまあきちんとしていても、ユーザー車検をし
たことが無くっていまいち実感が湧かない、という人は是非一度体験してみて下
さい。毎年日何人車検を受けて、幾ら手数料が集まって、それを何に使ってるの
か俺は知りませんが、少なくとも俺にとって1400円+俺の半日分の給料(たいし
てないけど)の価値がある仕事を彼ら係官がしたとは思えませんでした。それに
後でバイク雑誌見て驚いたけど、バイク屋では車検前の点検整備料は二万円、代
行手数料は一万五千円が一般的だって。車検の実際を知ってれば、ぼったくろう
と思えば幾らでも出来ますね。


 俺は車検行って来て、こんなもんいらねぇーよとプンプンしながら帰ってきま
した。将来的にはなくすべきだと思います。皆さんはどう思いますか?